ホラー映画好きなら絶対に見逃せないシリーズ、それが『テリファー』だ。
B級ホラーらしい低予算感がありながら、そのインパクトはメジャー級。
恐怖と狂気を詰め込んだこの作品に、ファンは歓喜し、苦手な人は震え上がるのだ。
そして、待望の新作『テリファー 聖夜の悪夢』がついに登場した。
映画「テリファー」シリーズとは?
低予算ながら大ヒットを記録
『テリファー』は、2016年に公開されたアメリカのホラー映画だ。
元々は短編映画『オール・ハロウズ・イヴ』の中で登場したキャラクター“アート・ザ・クラウン”を主役にしたスピンオフ作品である。
第一作目はわずか10万ドルという低予算で制作されたが、その衝撃的なグロ描写とクラシックなホラーの雰囲気で話題を集め、ホラーファンの間でカルト的な人気を博した。
続く2022年の『テリファー2』は、さらに人気を爆発させることとなる。
自主製作ながら興行収入は1000万ドルを突破し、映画館で嘔吐や失神者が続出したとの噂も話題になった。
監督・ダミアン・レオーネについて
本作の生みの親であり監督を務めるのはダミアン・レオーネだ。
彼はメイクアップアーティスト出身であり、その技術を活かした特殊効果やリアルな残酷描写が『テリファー』シリーズ最大の特徴となっている。
監督自身が描くグロ描写は、CGに頼らない“手作りの恐怖”が詰まっているのである。
さらに彼は、低予算でも映画は成功するということを証明し続けている。
「自分が見たいものを撮る」という彼のスタイルが、ホラーファンの心を掴んで離さないのだ。
早くも続編決定
『テリファー 聖夜の悪夢』がホラー界に新たな恐怖を撒き散らしたことで、ファンの間では早くも次回作への期待が高まっている。
ダミアン・レオーネ監督自身が続編の制作を示唆しており、さらにスケールアップした恐怖が待っているに違いない。
テリファー 聖夜の悪夢のあらすじ
ハロウィンに起きたアート・ザ・クラウンの虐殺事件から、シエナは弟ジョナサンと生き延びた。
トラウマに苦しみながら生活を立て直そうする彼らをよそに、季節はクリスマスを迎える。
住民たちが聖夜に心を躍らせる中、殺人鬼が再び現れ、街は恐怖の渦に陥る。
アート・ザ・クラウンとは?かわいい魅力を解説💘
恐さと可愛さが入り混じったビジュアル
『テリファー』シリーズの顔といえば、みんな大好きアート・ザ・クラウンだ。
真っ白なピエロメイクに真っ白な衣装。
https://twitter.com/terrifier_movie/status/1859604923165606015
遠くから見ると「あら、ちょっと可愛い?」なんて思わせておいて、
近寄ってきた瞬間に「あ、ヤバいヤツだ」と全身が理解する不気味オーラを放っている。
彼は無言でニヤリと笑いながら、被害者にすり寄る。(しかも今回は可愛いサンタコス)
スニーカーでも履いてるんじゃないかというほど忍び足が得意で、気づけば真横に立っている――これだけで心臓が止まる。
だが本番はここからだ!可愛げな動きで「いたずらっ子か?」と思わせつつ、その数秒後には笑顔で超残虐ショーを披露。
お前、ギャップの使い方が天才。
いや、なんで蘇ってんの!?前作までのアート事情
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前作『テリファー2』では、しっかり射殺されたはずなのに「ちょっと休憩してただけですけど?」くらいのノリでしれっと復活。
しかも、パワーアップして帰ってきた。
まるでRPGでレベルを上げてから再登場するラスボスのようだ。
「なんで生きてるんだよ!」と観客全員がツッコむが、彼に答える気は一切ない。
なぜなら、彼の存在に“理由”は必要ないのだ。
監督のダミアン・レオーネも、あえてアートの正体や動機を説明しないことで、「ヤツは一体何者なんだ…?」というモヤモヤ感と不気味さを永遠に植え付ける作戦に出たらしい。
結果として、観客は“理不尽な恐怖”に震えるしかないのだ。
怖いものは怖い、それでいいのだ。
理由や動機は不明。人間ではない。
https://twitter.com/terrifier_movie/status/1858705924858540244
アートはただ「楽しそう」に人を殺す。
楽しそうなのだ、本当に楽しそうなのだ!
その笑顔はまさに純粋無垢。
見方によっては「趣味に全力投球する姿は尊い」とまで思えてしまうが、相手にしているのは「趣味:殺人」の男である。
人間ではない。もはや“この世の悪意がピエロ姿で具現化した存在”とでも言おうか。
無言でニヤつきながら、何も語らず、表情すら変えない。
そのくせ残虐の限りを尽くす彼の姿は、観る者の「理性」と「感情」を同時にバグらせる。
「これは夢だ…!」と思いたくなるが、残念ながら現実(映画)なのである。
アート・ザ・クラウンは、今日もピエロ界の奇跡として、恐怖と笑いを混ぜ合わせながらスクリーンに降臨するのであった。
映画「テリファー 聖夜の悪夢」の感想・レビュー
さて、あらすじはここまでにして、実際に観た感想を語っていこう。
いくつかのポイントを挙げて、この映画の魅力を深掘りしていく!
スプラッタホラーとしては異例の長さには秘密が
『テリファー 聖夜の悪夢』の目玉の一つは、スプラッタホラー界の常識をブチ破った2時間オーバーの上映時間だ。
「ホラー映画って1時間半くらいでちゃちゃっと終われよ!」というツッコミはごもっとも。
しかし、監督のダミアン・レオーネはこう言いたいはずだ。
「モブだって人生があるんだ!」
そう、この映画、ただのザコキャラにもしっかりドラマを持たせるという謎の丁寧さ。
おかげで、彼らがアート・ザ・クラウンにバラバラにされる瞬間
「ああ、この人……たぶん今朝、パンケーキ食べてたんだろうな……」とか無駄に同情しちゃうのだ。
殺しのバリエーションが充実・残虐さもUP
前作よりもアートの「仕事っぷり」は更にグレードアップ。
「アレ、もうネタ切れだろ?」なんて甘い考えはゴミ箱に捨ててくれ。
- 液体窒素で凍らせてパッキーン!
- 電動ノコギリで人体を丁寧にスライス。
- 喉をこじ開けてネズミを強制イン!
- サンタも真っ青の爆弾プレゼント!
あまりにも残虐すぎて、ここまでくると、もはや恐怖より「次はどんな出血大サービスを見せてくれるんだ?」という期待感でワクワクしてしまう。
残虐シーンを喜ぶ自分に少し引くけど、アートの芸術的殺人センスはそんな理性も一緒に破壊してくれるのだ。
子供にも容赦なし
『テリファー 聖夜の悪夢』で特筆すべき点は、子供に対しても容赦がないところだ。
普通のホラー映画なら「子供はセーフ」の暗黙のルールがあるが、アートはそんなルール、笑顔で粉砕してくる。
「悪い子にはプレゼントじゃなくてトラウマを与えるよ♪」とばかりに、子供にも全力で恐怖をお届け。
当然、撮影では子役たちには「お兄さんはちょっと変わったピエロだよ~」程度に伝えたらしいが、後で完成版を見たら多分泣き叫ぶんじゃないかと思う。
1970~80年代風のホラー映画タッチが格好いい
『テリファー 聖夜の悪夢』がかもし出すのは、あの70~80年代のホラー映画のレトロな空気感。
なんだか画面から「ビデオテープの匂い」がしそうだ。
だが安心してほしい、「古いだけじゃない、ちゃんと今っぽい」のだ。
懐かしいビジュアルに、現代のぶっ飛びスプラッタ要素がミックスされ、ホラー映画ファンは「レトロ」と「最新」の間で幸せな悲鳴を上げることになる。
テリファーシリーズの過去作を振り返り
さて、アート・ザ・クラウンの登場がますます魅力的になったところで、少し過去作を振り返ってみよう。
シリーズ全体を通して、アート・ザ・クラウンのキャラクターはどんどん印象的になっていった。
そアートを知ることで、本作がいっそう楽しめるのだ。
テリファー 0
さかのぼること2013年、『テリファー 0』はオムニバス形式の映画としてひっそり爆誕しました。
オープニングは、サラというお姉さんがハロウィーンに子守をしながらホラー動画鑑賞会を開催するシーン。
何の気なしにビデオテープを再生したら、そこには……ぼんやりしたアート・ザ・クラウンが登場!
「ん?こいつ誰?」「ピエロ?地味に怖くない?」みたいな空気感でしたが、今思えば、これが後に”残虐界のプリンス”として君臨するアートの胎動だったわけです。
ちょっとボンヤリしていたビジュアルも、後の進化に向けた“準備運動”と考えればアツい。
まだグロも控えめな優しめアート、今となっては「初期アートかわいい」なんてファンもいそうな一本です。
テリファー
映画『テリファー』の開幕は、タラとドーンという女性2人が深夜のダイナーでアートと鉢合わせするところからスタート。
深夜にダイナーでコイツにガン見されたら、そりゃ逃げたくもなりますが、彼女たちを待っていたのは”逃げるなんて許さないよ?”
というピエロ界の最恐ストーカー・アートの追撃劇!
顔は笑顔、心は殺意――ピエロメイクに無邪気すぎる動きと表情の合わせ技は、「恐怖」と「笑っちゃいけないけど笑うしかない」という新感覚の恐怖体験を提供してくれます。
そしてこの作品でアートは完全覚醒!
グロシーンも「引き算?何それ、美味しいの?」と言わんばかりにやりたい放題で、観客のトラウマを量産しました。
テリファー 終わらない惨劇
「アート、君もう死んだよね?」――そんな視聴者のツッコミを軽やかに無視して帰ってきたのが、続編『テリファー 終わらない惨劇』。
場所は死体安置所。
え?なんでピエロが冷蔵庫から起きてんの?という奇跡の復活劇から、彼の暴走は加速します。
この作品では、人体の構造や法律を完全無視した残虐シーンが満載。
アートは相変わらず冷酷無比、いやむしろ”マシマシ冷酷”で、「こいつ、もはや映画の枠を超えた”悪ふざけ職人”じゃないか?」とすら思えてきます。
こんなにも「ピエロは怖い」という固定概念を徹底強化してくれる存在、他にいません。
もはやラスボスの貫禄です。
日本版イメージソングにDIR EN GREY登場!
最新作『テリファー 聖夜の悪夢』では、日本版イメージソングにDIR EN GREYの「The Devil In Me」が採用。
まさかの豪華コラボレーションが爆誕!虜の僕も大歓喜です。
DIR EN GREYボーカルの京さん曰く「めっちゃ可愛い過去最高にプリティ」(完全同意)
ホラー映画ファンはもちろん、DIR EN GREYファンも大歓喜の本作。
音楽とアートの残虐ショーの見事なシンクロ具合を、ご堪能あれ!
まとめ
アート・ザ・クラウンが繰り広げる『テリファー』シリーズは、恐怖のピエロが進化する過程を存分に味わえる作品群だ。
初登場の『テリファー 0』では控えめだったアートが、2016年の『テリファー』でついに主役として恐怖を爆発させ、その後の『テリファー 終わらない惨劇』では残虐性がさらにエスカレート。
今回の「聖夜の悪夢」では、サンタコスチュームでアートの魅力が増し、恐怖体験は最高潮へと達する。
この衝撃をぜひ映画館で体験しよう♪